盛岡冷麺の由来

麺は朝鮮半島北部で生まれたものです。その朝鮮半島北部・咸興(ハムフン)出身で、昭和初期に日本に移住してきた青木輝人さんという人が、昭和29年(1954年)に盛岡で「食道園」という店(現在も営業中)を始めました。その時、初めて盛岡に冷麺という食べ物が登場したのです。
同じ朝鮮半島北部・平壌の冷麺は、すでに日本国内に伝わっていました。青木さんは、辛みのない、あっさりした平壌冷麺に、故郷・咸興の辛みのある冷麺の味をミックスしました。これが盛岡冷麺の始まりです。ほかにも盛岡の素材を生かした様々な工夫が加えられて、冷麺は盛岡に定着していきます。

原料は小麦粉

冷麺は通常、そば粉で作られますが、盛岡冷麺は小麦粉とデンプンで作られています。そのため、盛岡冷麺は半透明のクリーム色をしています。そして、デンプンが麺に強いコシを与えて、そば粉を使うやわらかい平壌冷麺とは違った、独特の歯ざわりを生み出しています。
スープは、牛肉や鶏肉などを煮込んで味付けしています。程よく冷やしたスープは飲み心地がよく、コクもたっぷりです。このスープと、キムチの辛みが融合しています。辛みが苦手という人でも、キムチの量で辛さを調節して、おいしく召し上がることができます。そして、ゆで卵、キュウリ、季節の果物などを盛り付けることで味が多彩になります。

固いのかコシが強いのか

盛岡冷麺を初めて食べる人は、太目で固いシコシコとした麺の食感に戸惑うかもしれません。盛岡冷麺は、「こねて」、「延ばして」というような日本に伝わる製麺法とはまったく違った製法です。「生地に対してすさまじい圧力をかけ小さな穴から押し出す」という多少強引な感じもする製法は大陸から伝わってきたものです。このような製法で作られたからこそ、しっかりとしたコシのある盛岡冷麺が出来上がるのです。

癖になります

盛岡冷麺の味にいったんふれると、必ずといっていいほど後を引きます。キムチの辛さというのでもなく。スープの甘さやコクでもなく。はたまた、その冷麺の食感・・・。味を識別する体の奥の「本能」のようなものが、冷麺のおいしさをある日突然、思い出させるのです。
かつては専門店でしか食べることのできなかった盛岡冷麺も、いまや半生製品などの登場で、気軽に家庭で楽しめます。ちょっとした工夫で変りダネ冷麺にも挑戦してみませんか?

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